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命の循環の始まり

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 2025年7月30日、北アルプスを裏銀座から歩く5日間の4日目。前日までは、険しい岩の稜線が続いていました。雪解けが早かった年で、水場は涸れ、手元の水を少しずつ口に含みながら歩く。ちょっとした冒険のような山行でした。

 黒部五郎のカール(氷河が削り出した、半円形の窪地)へ下りると、世界が変わりました。あちこちから水の音がします。湿地が広がり、背の低い草が風にそよいでいる。黒々とした土の香りと、草いきれ。稜線では見えなかった水が、ここでは岩の隙間から湧き、草や花や虫を育てている。ここが始まりなんだ、と感じました。小川を何度もまたぎ、お花畑を抜けて、黒部五郎岳の山頂(標高2,840m)まで登りました。

 快晴。5メートルほどの穏やかな風。遠くの山まで、すべて見えています。振り返ると、さっき歩いてきた谷が足元に広がっていました。こんなにすばらしい世界を歩いてきたんだな。

 カールには、白い大岩が至るところに転がっています。太古の氷河が運んだのだと頭ではわかりますが、気の遠くなるようなその時間を、私の身体で感じることはできません。それでもここでは毎年、雪が降り、解けて小川になり、草木が育ち、虫や動物が動き出す。それを延々と繰り返してきた。止まって見える谷の底で、生きる営みがずっと続いていました。

 左右に大きく開いた稜線が、その谷をゆりかごのように包み込むように描きました。奥の山は、夏の水蒸気と逆光でかすんでいます。白だけでなく、ピンク、レモンイエローを薄く何度も重ねて、光が煌めくように。手前の岩はゴツゴツと、陰影を強く。そして谷底の川筋を、白くはっきりと描きました。ささやかながら、この絵の主役です。あのとき、私は知りませんでした。左の稜線の向こうへ消えていく川筋の行方を。

 帰ってから調べて、それが黒部川の始まりだと知りました。この谷の循環は、下流に暮らす人々の営みにもつながっていました。

 この絵が、街で忙しく過ごす日々のなかで、自分もその大きな循環のなかにいることを思い出すための、小さな窓になれば幸いです。

■背景となった登山記録:https://yamap.com/activities/41856297

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・カテゴリー:絵画
・サイズ:72.7 × 28.4 cm ※作品本体サイズ
・素材/技法:キャンバス、アクリル絵の具
・制作年:2026年
・エディション:1点物、ユニーク
・額装:あり
・サイン:あり
・作品証明書:あり
・発送までの日数:2~3週間 ※ご注文後に額装と配送を手配するためお時間をいただきます。
・発送元地域:東京都
・登録日:2026/8/16

​◎作品収益による環境保全支援
​Mt.Afroの作品は、自然との対話から生まれます。私は、制作の源泉である山岳環境を次世代へ引き継ぐため、売上の一部を環境保全団体へ寄付する取り組みを行っています。
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北杜山守隊 | 未来へつなぐ、みんなの山
https://hokuto-yamamoritai.org/

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