朽ちて、森を育む
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2026年2月、八ヶ岳(やつがたけ)の森。稲子温泉から入山し、本沢温泉へと向かう途中、標高2,100m付近で描いた一枚です。この日は驚くほど暖かく、朝は2℃だった気温も昼過ぎには10℃を超え、日向では汗ばむほど。厳冬期とは思えない、春がすぐそこまで来ているような陽気でした。それでも上空は冬らしく、「ゴー」という低い音でつむじ風が梢を渡っていきます。風が吹くたびに枝が揺れ、雪の上に落ちた影も、木々のあいだを縫う光も、ゆらゆらと揺れていました。
ふと足が止まり、顔を上げました。そこに立っていたのは、一本のブナの木です。かつては見上げるほど立派な大木だったのでしょう。いまは完全に枯れ、太い幹は途中で折れていますが、それでも4mほどの高さがありました。
人の感覚から言えば、もう死んでいる木です。しかし見方を変えれば、この木は再生の途中にいるとも言えます。やがて全体が苔むし、ひび割れ、朽ちて、次の命を育む土になっていく。いま青々と葉を茂らせている周りの木々も、いつかは同じ道をたどり、また次の森を育てるのでしょう。
街では、変わらないことが安心の証しです。私たちはできるだけ物事を固定して、確かさを手に入れようとします。しかし森では、死と再生が絶え間なく巡っていました。その循環に思いを馳せたとき、木漏れ日のなかに立つ枯れ木が、一層尊いものに感じられたのです。
生と死は、道の始まりと終わりではなく、絶え間なく巡る環の通過点なのかもしれません。この絵が、何かを得ること、そして失うことの重さを、そっと軽くする静かな窓になればと願っています。
■背景となった登山記録:https://yamap.com/activities/46375281
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・カテゴリー:絵画
・サイズ:31.8 × 41 cm ※作品本体サイズ
・素材/技法:水彩紙、ソフトパステル
・制作年:2026年
・エディション:1点物、ユニーク
・額装:あり
・サイン:あり
・作品証明書:あり
・発送までの日数:2~3週間 ※ご注文後に額装と配送を手配するためお時間をいただきます。
・発送元地域:東京都
・登録日:2026/7/17
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北杜山守隊 | 未来へつなぐ、みんなの山
https://hokuto-yamamoritai.org/
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