私が生きられる場所
¥230,000($1,455.10)
残り1点
International shipping available
2025年7月29日午前4時、北アルプスの水晶小屋(標高約2,900m)を出発しました。頭上には満天の星、雄大な天の川。一方で足元の岩場は完全な暗闇です。ヘッドライトの白い光は数メートル先で吸い込まれ、照らされた岩はのっぺりとして体感がありません。小屋が視界から消えると、胸の奥で不安が頭をもたげました。その源は、僅かながらの死の気配だったのだと思います。登山道や小屋といった人の痕跡が、どれほど私の心を支えていたか。冷たい風の中で痛感しました。
日の出を待って岩に腰を下ろします。気温はおよそ10℃。岩の冷たさがじわじわと這い上がってきました。星空を見上げていると、宇宙空間に放り出されたような、言いようのない心細さが押し寄せてきます。お尻の下の岩とのつながりが、命綱のように感じられました。
やがて、東の空が紺からすみれ色へ、薄い黄色から橙へと移ろっていきます。野口五郎岳(標高2,924m)の背後から朝日の鋭い閃光が走った瞬間、すべてが一変しました。瞬時に肌へ届く、太陽のぬくもり。夜の不安は消え去り、「今、生かされている」という実感が身体の内側から湧き上がりました。さあ、私が生きられる場所が戻ってきた。ありがたい。この死の気配と生の実感が、この作品の出発点です。
描いたのは、そのとき稜線から黒部渓谷の方角を望んだ風景です。左に水晶岳(標高2,986m)、右に野口五郎岳、中央の奥には立山連峰。ここに降る雨や雪は、やがて黒部川となって日本海へと下っていきます。
街で朝日を見ても、こんな気持ちにはなりません。安心と安全に満たされた暮らしのなかでは、光ひとつのありがたさのような素朴な変化に、気づきにくくなっているのでしょう。勝敗や損得を追いかける日々で麻痺しがちな「世界を豊かに感じる感性」は、闇と光のコントラスによって、呼び覚まされるのかもしれません。
この絵が、日々を懸命に生きるあなたにとって、万物との繋がりのなかに生かされていることを思い出すための、小さな窓になれば幸いです。
■背景となった登山記録:https://yamap.com/activities/41856297
--------------------------------------------
・カテゴリー:絵画
・サイズ:82 × 31.8 cm ※作品本体サイズ
・素材/技法:キャンバス、アクリル絵の具
・制作年:2025年
・エディション:1点物、ユニーク
・額装:あり
・サイン:あり
・作品証明書:あり
・発送までの日数:2~3週間 ※ご注文後に額装と配送を手配するためお時間をいただきます。
・発送元地域:東京都
・登録日:2026/7/12
◎作品収益による環境保全支援
Mt.Afroの作品は、自然との対話から生まれます。私は、制作の源泉である山岳環境を次世代へ引き継ぐため、売上の一部を環境保全団体へ寄付する取り組みを行っています。
本作の収益の一部(売上の10%)は、山梨県北杜市を中心に登山道の保全・修復を行う「一般社団法人 北杜山守隊」へ寄付されます。
アートを通じて自然を守る。その一助として、作品をお迎えいただければ幸いです。
北杜山守隊 | 未来へつなぐ、みんなの山
https://hokuto-yamamoritai.org/
【ご購入の際のご注意・同意事項】
1. 著作権について 本作品の所有権はご購入者様に移転しますが、著作権は作家(三坂裕司/Mt.Afro)に帰属します。 作品の複製、改変、営利目的での二次利用(グッズ化など)はご遠慮ください。
2. 展示へのご協力(借用)について 将来的に作家が個展や展覧会を開催する際、本作品の展示のために一時的なお貸出しをお願いする場合がございます。その際は、事前にご相談させていただきますので、可能な範囲でご協力いただけますと幸いです。 ※運送費用や保険料等は作家が負担いたします。
3. ご連絡先の維持 上記の借用相談のため、メールアドレス等の連絡先が変更になった場合は、お手数ですがショップ経由、またはSNS等でご連絡をいただけますと幸いです。
本作品をご購入いただいた時点で、上記の内容にご同意いただいたものとみなします。